マッッッシロ

ポエムもどき

絹糸のような月

光る絹糸のような月
細目を開けて 
薄紫の鱗雲の隙間から覗いている
下方に黄金の海を輝かせながら。

月が出たと騒がせぬ
そのさりげなさ
本当に気取ってるよ
もうまもなく暗闇の中で
本性をあらわすのか

月よ
月だから そのような事ができるのであって
人間には難しい話だ

それともなんとか頑張っていれば
いつかは辿り着くのか

月は
月のまま
ただ月の如く浮かんでいた。

銀のミミズ

雨が降り
息苦しくなって土中のミミズが這い出てくる
いざ雨が止んで戻ろうとすると
しかし既に土は乾き固まり
寝床の扉は閉ざされてしまっている

梅雨明けのホロコースト

死骸がアスファルトの道一面に

その情景にも
暑さにもうんざりしながら
坂道を登る

そんな時あれっとなる

銀のミミズだ!!

沢山の干からびたミミズの中、一匹の銀のミミズが蹲っている!!

・・・なんだ、よく見れば鉄のS字フックだった

きっと目の前の家の洗濯竿から飛んできた
ただの人工物

ーーーいや待てよ。

これはミミズの突然変異とも限らない。

真上から殺しにかかる太陽に抗おうと
身を焼かれながらも
精一杯 精一杯願ったなら

ミミズだって銀になるのかも・・・?

それはすごい

銀のミミズが初めてこの世に生まれた瞬間だ!


そんな事を胸の中でぶつくさ言いながら
ポタポタ汗を垂らしながら
私は過ぎ去った


希望というのはこういうことを言うのかもしれない。

ウグイスのエコー

中途半端な田舎

険しい坂道

なまじ木々が生い茂って

頭上をうっすら暗くする

 

そんな時に響く

ウグイスのエコー

 

ホーホケキョ(ホーホケキョ)

ホーホホホケキョ(ホーホホホケキョ)

 

どこに反響しているのかわからない

私の行先もよくわからない

 

けれどそれだけは

何にも替え難く

完璧なのだ

 

その波紋がシン・・・と

私の体を縦にも横にも突き抜ける

 

すると胸の中が一瞬で

雲の上の天国に変わる

 

生きていて良かったと

思っちゃうんだな

これが

海の中で羽ばたく蝶

次男曰く

蝶は海に潜る

海の中で羽ばたく

また

魚の上にくっついて乗せてもらうんだと

花が無いから蜜は吸えないけどどうするのと聞くと

自分が花を取って海に届けるんだと

 

海の中で羽ばたく蝶を想像してみた

でも私の蝶はすぐに魚に食べられた

 

感性もきっと同じよう

こんな現実に生きていたなら

 

海の中で羽ばたき続ける蝶を

私も次男と同じく心の中で生かさなければ

どこまでも どこまでも

魚に食べられず 波にも流されず

羽ばたき続ける蝶を

カフェって大事。

カフェって大事だ。

こだわりと安らぎが兼在している場所

餓えと乾きと孤独を癒やす場所

なんて素晴らしい

誰も知らない小説をずらりと本棚に並べて

マイナーな旅行雑誌を平積みして

意味不明な外国の雑貨を出窓に置いて

北欧の布かなんか敷いて

汚れて古びたトランクを主張激しく目立つ所に飾って

へんてこなテンポの洋楽で店内を味付けする

こういうのはかけがえのないものだ

本当にかけがえのないものだ

こういうものが大事だと教えてくれる

だからカフェって大事。

みんなの心の中がカフェみたいなら

この世はもっと楽しい。

ウルトラマリンディープ

群青の事情。

 

綺麗な事

美しい事

かっこいい事

神秘的な事

深い事。

 

高潔であるが故に孤独な事。

 

一緒にはなれないけれど

誰も知らないけれど

自分を愛す者たちをいつも深い深い青の底から見守っているという事。

 

この色はそういう色なのだ

私にはそう見える。

 

だってほら

どう考えても異世界に通じているでしょう?

世界一イラつく替え歌〜マジで続くよどこまでも〜

マージマジマジマージー

まーじでースか〜??

 

マージまじまじマージー

まーじですよぉ〜

 

マージマージマジマージ

マージですか〜??

 

マージまじまじマージー

ど〜こまでも〜


まじまじまーじ

まじまじまーじ

まじまじまーじ

まーじじ〜


まじまじまーじ

まじまじまーじ

ホントはウソ嘘

全部ウソ〜

帝国

ぺっちゃぺっちゃ ぺっちゃぺっちゃ
水溜り
ぺっちゃぺっちゃ ぺっちゃぺっちゃ
泥はねる

ばっしゃばっしゃ ばっしゃばっしゃ
水溜り
おニューのお靴はこの為に

きみにとっては無限の海
数多のアメンボ引き連れて
3歳児の帝国は
雨上がりに現れる

もーもー太郎

昔々 あるところに

おじいさんと おばあさんと もーもー太郎が暮らしていました

 

もーもー太郎はかつて飼っていた雌牛とおじいさんとの間に出来た不義の子で

頭にはツノが生え牛の尻尾を生やした半人半牛の姿をしていました。

体は3mにもなる巨体で、胃袋も4つありました。

もちろん就職はできず、30歳でいまだに童貞です。

 

3人は周りから蔑まれ、やむなく人里離れた森の中でひっそりと貧しい生活を送っていました。

 

おばあさん「もうこんな生活は嫌だ!どうして私がこんな目に!!全部おじいさんのせいだ!!」

 

おばあさんは今日も狭い納屋の中で発狂しています。

 

おばあさん「あああっ。またもーもー太郎をドナドナしろと聴こえる!!コンセントに盗聴器が仕掛けられてる〜!!」

 

おばあさんは長年のストレスで統合失調症を患っていました。

 

おじいさん「うっせえなあ!慰謝料も払ったし散々謝っただろ。そもそもこの家にコンセントなんかねえっつーの。」

 

ぐび・・・と開き直り密造酒を煽るおじいさん。

無責任のクズ男は健在です。

 

もーもー太郎「もー。おじいさんとおばあさんったら。うるさくするとまた行政の調査が入りますよ。それに慰謝料って僕のママの肉じゃないか。むしゃむしゃ」

 

そう言いながら納屋の藁をむしって食むもーもー太郎。

当然納屋は穴だらけ、既に家の中は丸見えです。

そもそももーもー太郎の巨体は納屋に収まらず、天井をツノが突き破っていました。

 

そんなある日、鬼畜島の鬼がもーもー太郎たちの住む近くの村を襲い、村人の婦女に性的暴行を加えるという事件が立て続けに起きました。

 

おばあさん「天誅〜!!天誅〜!!ヒャハハハ」

 

他人の不幸に飢えていたおばあさんはそれを聞いて大喜び。

 

おじいさん「これだけ事件が起きれば、どさくさに紛れて俺がお姉ちゃんに手を出しても・・・」

 

何かを目論む相変わらずクズなおじいさん。

 

もーもー太郎「もー。おじいさんたら。cow fuckerと呼ばれるだけじゃ飽き足らないの?むしゃむしゃ」

 

もーもー太郎も相変わらず納屋の藁をむしって食べていました。

 

おじいさん「おい。もーもー太郎。おめえ、いっちょ鬼畜島に行って鬼を懲らしめてやれよ。そうすれば俺たちもちったあ名誉挽回、ご褒美に預かれるかもよ。」

 

もーもー太郎「もー。そんな恐ろしい事僕には出来ないもん。第一保険にも入ってないし。むしゃむしゃ」

 

おじいさんはそれでもしつこく食い下がります。

 

おじいさん「おめえならできるって。図体だけはでかいんだし。なあ、頼むよなあなあ。それに周りを見てみろ、もうお前の食う藁も残ってねえぞ」

 

もーもー太郎「もっ」

 

ハッとして辺りを見渡すもーもー太郎。確かに納屋はもう納屋では無くなっていました。

 

もーもー太郎「もー。しょうがないなあ。おばあさん、世界一美味しいきび団子を作ってください」

 

おばあさん「あんだってえ?ホウ酸団子!?あいよ!!」

 

鬼退治を決意し、旅支度をするもーもー太郎。

 

おばあさんが作った世界最凶のホウ酸団子を腰の袋に入れ、早速鬼畜島へと旅立ちました。

 

 

途中、犬と出会いました。

 

犬「おい、cow fuckerの息子!調子はどうだい!?ワンワンワ・・」

 

もーもー太郎「うるせえ。これでも食ってろ」

 

もーもー太郎が口の中に投げたホウ酸団子で犬は永遠に黙りました。

 

次に猿と出会いました。

 

猿「おい、牛とヤレるなら猿ともヤッたんだろ!?うっきっきっき!今度じいさんに聞いてみろy・・・」

 

もーもー太郎「うるせえ。これでも食ってろ」

 

もーもー太郎が口の中に投げたホウ酸団子で猿も永遠に黙りました。

 

最後にキジがやってきて頭上で鳴きました。

 

キジ「キーー!!」

 

特に何かを言われたわけでは無かったのですがイライラしていたもーもー太郎はホウ酸団子を投げそれを食べたキジも永遠に黙りました。

 

もーもー太郎「ふー。邪魔者は消えた・・・」

 

もーもー太郎の気が晴れた頃に、目の前に鬼畜島が見えてきました。

 

もーもー太郎「キビ団子ーキビ団子は要りませんか?」

 

もーもー太郎は業者を装い鬼畜島の中へ堂々と潜入しました。

 

鬼「あ、あなた様は・・・!?」

 

もーもー太郎の姿を見た鬼達はびっくり仰天。

なぜなら長年崇めていた救世鬼の壁画にそっくりだったからです。

 

もーもー太郎「え?」

 

鬼「ま、間違いない・・・!立派な体格、俺たちと同じツノ!予言のメシアだ・・・!!」

 

よくわからないまま、もーもー太郎は鬼達に崇め奉られ、丁重に扱われました。

 

鬼「あなたがこの世の愚かな人間どもを駆逐し、鬼だけの世界を実現させるメシア様なのですね・・・!」

 

もーもー太郎「もー。それほどでもー」

 

敬われ、まんざらでも無いもーもー太郎。

今までずっと蔑まれていた彼にとって初めての感覚でした。

 

もーもー太郎は鬼達から接待を受けながら、いかに人間が理不尽な仕打ちを行い鬼を苦しめ追いやってきたのかを聞かされました。

 

もーもー太郎「それはもー大変だったね」

 

鬼「しかし今その無念が晴らされるときが来た!!メシア様の出現が為に・・・!!」

 

用意された美しく若い鬼女達と乱交し、ご馳走をたらふく食べ、もーもー太郎は幸福感に浸りました。

 

もーもー太郎「ここがもーもーパラダイス!!略してモーパラ!!」

 

酒に泥酔してぐっすり眠ってしまったもーもー太郎。

 

朝目が覚めると、もーもー太郎が持ってきた袋の中身が空になり、その中のホウ酸団子を口にした鬼達が全滅していました。

 

もーもー太郎「そ、そんな・・・。やっと居場所を見つけたと思ったのに・・・」

 

悲しみに暮れるもーもー太郎。

 

しかし当初の目的が遂行できたので、気を持ち直し、鬼達の財宝をかき集めると実家に向かって歩き始めました。

 

もーもー太郎「おじいさん、おばあさん、ただいま・・・」

 

意気揚々とおじいさんとおばあさんに駆け寄るもーもー太郎。

しかし納屋で無くなった納屋の中でもーもー太郎が見たのは、血溜まりの中横たわる2人の姿でした。

 

そばには稲刈り用の鎌が投げ捨てられていました。

 

もーもー太郎の手から力なく財宝がこぼれ落ちました。

 

犯人を探し、近隣の町へ駆り出すもーもー太郎。

 

村人「きゃーー鬼よ!!」

 

村人「また鬼が出た!犯される〜!!」

 

もーもー太郎を鬼と勘違いし、パニックになる村。

 

もーもー太郎「もー!違うってば!!僕は鬼じゃなくてもーもー太郎!!牛と人間の間に出来た牛人間だっ。それよりおじいさんとおばあさんを殺したのは誰だ!!」

 

村人の農夫A「ああ、あの夫婦はうちの米や農作物を盗みやがるからやっちまったよ!おまけに今度は鶏を犯そうとしたんだ!!」

 

村人の農夫B「常習犯だったしな!ザマアミロ!!」

 

高らかに笑う農夫達を前に打ち震えるもーもー太郎。

 

もーもー太郎「そんな・・・確かに2人ともどうしようも無いクズ人間だったけど・・・頼んでも食べ物を分けてくれなかったからじゃないか・・・っ」

 

村人「そいつも殺せ!きっと同じことをする!」

 

村人「そうだ!やっちまえ!!」

 

もーもー太郎を亡き者にする為に沸き立つ村人達。

 

もーもー太郎「もー!僕は今しがた鬼を退治してきたんだぞ!?財宝だって持ち帰ってきたんだ!!」

 

村人「嘘をつけ!財宝はどこだ!」

 

村人「盗人!虚偽妄想!さすがあのcow fuckerとクソババアの子供だな!!あはははは」

 

それを聞いてついにキレるもーもー太郎。

 

もーもー太郎「ふざけるなあああああ!!!」

 

もーもー太郎が力を入れると、筋肉が膨れ上がり、巨体がより一層際立ちました。

そう、隠されていた潜在能力が発揮されたのです。

 

村人「ひいっ」

 

その姿に恐れ慄く村人たち。

 

もーもー太郎「なんでもいいから地獄に落ちろ人間ども!!!」

 

もーもー太郎は堰を切ったように次々と村人を殴り殺して行きました。

 

♬挿入歌♬

 

あれは誰だ 誰だ 誰だ

あれはカウ カウマン

son of a cow fuckerの名を受けて

むしゃくしゃして戦う男

 

もーもーアローは超音波

もーもーイヤーは地獄耳

もーもーウィングは無いけれど

もーもービームも出なかった

 

鬼の力身につけた

正義のヒーロー(?)

カウマン

 

〜♬

 

 

辺りに動くものがいなくなった頃、ある家の中から赤ん坊の泣きき声が多数聞こえてきました。

 

それすらも駆逐しようと家の中に踏み込むもーもー太郎。

 

しかしそこで見たものにもーもー太郎は驚愕します。

 

そこには生まれたばかりのツノを生やした赤ちゃん達が無造作に放り投げられていたのです。

 

赤ちゃん達は鬼に襲われた婦女達から生まれた半人半鬼でした。

 

食べ物もろくに与えられず、皆衰弱しきっていました。

 

もーもー太郎「おじいさんは、僕が牛から生まれた半牛でも、こんなふうに捨てずに育ててくれたんだ・・・!おばあさんだって、発狂してるだけで本当に僕を殺そうとはしなかった・・・!」

 

もーもー太郎はその中の赤子の一人を抱き抱えると、決意を新たにしました。

 

もーもー太郎「やはり人間は駆逐すべきだ・・・!!鬼達の楽園を作ろう!モーパラをこの手で取り戻すんだ!!」

 

そうしてもーもー太郎は半鬼の赤ちゃん達を育てながら、人類滅亡の旅に出るのでした。

 

おしまい。

必ず帰ります

 

お土産の焼き鳥を

 

その場で開けて食べてしまう

 

5月の6時はまだ明るい

 

つくねをパクリ

 

ランドセルの子供が帰る

 

ねぎまをパクリ

 

クロックスの主婦が帰る

 

ももをパクリ

 

くたびれスーツのオヤジが帰る

 

皮をパクリ

 

散歩の犬にガン見される

 

公園にも店にも自販機にも 灯りが灯る

 

も一つつくねをパクリ

 

街灯を頼りに

 

もうすぐ帰ります

 

焼き鳥は無いけど

 

私も必ず帰りますから ね