昔々 あるところに
おじいさんと おばあさんと もーもー太郎が暮らしていました
もーもー太郎はかつて飼っていた雌牛とおじいさんとの間に出来た不義の子で
頭にはツノが生え牛の尻尾を生やした半人半牛の姿をしていました。
体は3mにもなる巨体で、胃袋も4つありました。
もちろん就職はできず、30歳でいまだに童貞です。
3人は周りから蔑まれ、やむなく人里離れた森の中でひっそりと貧しい生活を送っていました。
おばあさん「もうこんな生活は嫌だ!どうして私がこんな目に!!全部おじいさんのせいだ!!」
おばあさんは今日も狭い納屋の中で発狂しています。
おばあさん「あああっ。またもーもー太郎をドナドナしろと聴こえる!!コンセントに盗聴器が仕掛けられてる〜!!」
おばあさんは長年のストレスで統合失調症を患っていました。
おじいさん「うっせえなあ!慰謝料も払ったし散々謝っただろ。そもそもこの家にコンセントなんかねえっつーの。」
ぐび・・・と開き直り密造酒を煽るおじいさん。
無責任のクズ男は健在です。
もーもー太郎「もー。おじいさんとおばあさんったら。うるさくするとまた行政の調査が入りますよ。それに慰謝料って僕のママの肉じゃないか。むしゃむしゃ」
そう言いながら納屋の藁をむしって食むもーもー太郎。
当然納屋は穴だらけ、既に家の中は丸見えです。
そもそももーもー太郎の巨体は納屋に収まらず、天井をツノが突き破っていました。
そんなある日、鬼畜島の鬼がもーもー太郎たちの住む近くの村を襲い、村人の婦女に性的暴行を加えるという事件が立て続けに起きました。
おばあさん「天誅〜!!天誅〜!!ヒャハハハ」
他人の不幸に飢えていたおばあさんはそれを聞いて大喜び。
おじいさん「これだけ事件が起きれば、どさくさに紛れて俺がお姉ちゃんに手を出しても・・・」
何かを目論む相変わらずクズなおじいさん。
もーもー太郎「もー。おじいさんたら。cow fuckerと呼ばれるだけじゃ飽き足らないの?むしゃむしゃ」
もーもー太郎も相変わらず納屋の藁をむしって食べていました。
おじいさん「おい。もーもー太郎。おめえ、いっちょ鬼畜島に行って鬼を懲らしめてやれよ。そうすれば俺たちもちったあ名誉挽回、ご褒美に預かれるかもよ。」
もーもー太郎「もー。そんな恐ろしい事僕には出来ないもん。第一保険にも入ってないし。むしゃむしゃ」
おじいさんはそれでもしつこく食い下がります。
おじいさん「おめえならできるって。図体だけはでかいんだし。なあ、頼むよなあなあ。それに周りを見てみろ、もうお前の食う藁も残ってねえぞ」
もーもー太郎「もっ」
ハッとして辺りを見渡すもーもー太郎。確かに納屋はもう納屋では無くなっていました。
もーもー太郎「もー。しょうがないなあ。おばあさん、世界一美味しいきび団子を作ってください」
おばあさん「あんだってえ?ホウ酸団子!?あいよ!!」
鬼退治を決意し、旅支度をするもーもー太郎。
おばあさんが作った世界最凶のホウ酸団子を腰の袋に入れ、早速鬼畜島へと旅立ちました。
途中、犬と出会いました。
犬「おい、cow fuckerの息子!調子はどうだい!?ワンワンワ・・」
もーもー太郎「うるせえ。これでも食ってろ」
もーもー太郎が口の中に投げたホウ酸団子で犬は永遠に黙りました。
次に猿と出会いました。
猿「おい、牛とヤレるなら猿ともヤッたんだろ!?うっきっきっき!今度じいさんに聞いてみろy・・・」
もーもー太郎「うるせえ。これでも食ってろ」
もーもー太郎が口の中に投げたホウ酸団子で猿も永遠に黙りました。
最後にキジがやってきて頭上で鳴きました。
キジ「キーー!!」
特に何かを言われたわけでは無かったのですがイライラしていたもーもー太郎はホウ酸団子を投げそれを食べたキジも永遠に黙りました。
もーもー太郎「ふー。邪魔者は消えた・・・」
もーもー太郎の気が晴れた頃に、目の前に鬼畜島が見えてきました。
もーもー太郎「キビ団子ーキビ団子は要りませんか?」
もーもー太郎は業者を装い鬼畜島の中へ堂々と潜入しました。
鬼「あ、あなた様は・・・!?」
もーもー太郎の姿を見た鬼達はびっくり仰天。
なぜなら長年崇めていた救世鬼の壁画にそっくりだったからです。
もーもー太郎「え?」
鬼「ま、間違いない・・・!立派な体格、俺たちと同じツノ!予言のメシアだ・・・!!」
よくわからないまま、もーもー太郎は鬼達に崇め奉られ、丁重に扱われました。
鬼「あなたがこの世の愚かな人間どもを駆逐し、鬼だけの世界を実現させるメシア様なのですね・・・!」
もーもー太郎「もー。それほどでもー」
敬われ、まんざらでも無いもーもー太郎。
今までずっと蔑まれていた彼にとって初めての感覚でした。
もーもー太郎は鬼達から接待を受けながら、いかに人間が理不尽な仕打ちを行い鬼を苦しめ追いやってきたのかを聞かされました。
もーもー太郎「それはもー大変だったね」
鬼「しかし今その無念が晴らされるときが来た!!メシア様の出現が為に・・・!!」
用意された美しく若い鬼女達と乱交し、ご馳走をたらふく食べ、もーもー太郎は幸福感に浸りました。
もーもー太郎「ここがもーもーパラダイス!!略してモーパラ!!」
酒に泥酔してぐっすり眠ってしまったもーもー太郎。
朝目が覚めると、もーもー太郎が持ってきた袋の中身が空になり、その中のホウ酸団子を口にした鬼達が全滅していました。
もーもー太郎「そ、そんな・・・。やっと居場所を見つけたと思ったのに・・・」
悲しみに暮れるもーもー太郎。
しかし当初の目的が遂行できたので、気を持ち直し、鬼達の財宝をかき集めると実家に向かって歩き始めました。
もーもー太郎「おじいさん、おばあさん、ただいま・・・」
意気揚々とおじいさんとおばあさんに駆け寄るもーもー太郎。
しかし納屋で無くなった納屋の中でもーもー太郎が見たのは、血溜まりの中横たわる2人の姿でした。
そばには稲刈り用の鎌が投げ捨てられていました。
もーもー太郎の手から力なく財宝がこぼれ落ちました。
犯人を探し、近隣の町へ駆り出すもーもー太郎。
村人「きゃーー鬼よ!!」
村人「また鬼が出た!犯される〜!!」
もーもー太郎を鬼と勘違いし、パニックになる村。
もーもー太郎「もー!違うってば!!僕は鬼じゃなくてもーもー太郎!!牛と人間の間に出来た牛人間だっ。それよりおじいさんとおばあさんを殺したのは誰だ!!」
村人の農夫A「ああ、あの夫婦はうちの米や農作物を盗みやがるからやっちまったよ!おまけに今度は鶏を犯そうとしたんだ!!」
村人の農夫B「常習犯だったしな!ザマアミロ!!」
高らかに笑う農夫達を前に打ち震えるもーもー太郎。
もーもー太郎「そんな・・・確かに2人ともどうしようも無いクズ人間だったけど・・・頼んでも食べ物を分けてくれなかったからじゃないか・・・っ」
村人「そいつも殺せ!きっと同じことをする!」
村人「そうだ!やっちまえ!!」
もーもー太郎を亡き者にする為に沸き立つ村人達。
もーもー太郎「もー!僕は今しがた鬼を退治してきたんだぞ!?財宝だって持ち帰ってきたんだ!!」
村人「嘘をつけ!財宝はどこだ!」
村人「盗人!虚偽妄想!さすがあのcow fuckerとクソババアの子供だな!!あはははは」
それを聞いてついにキレるもーもー太郎。
もーもー太郎「ふざけるなあああああ!!!」
もーもー太郎が力を入れると、筋肉が膨れ上がり、巨体がより一層際立ちました。
そう、隠されていた潜在能力が発揮されたのです。
村人「ひいっ」
その姿に恐れ慄く村人たち。
もーもー太郎「なんでもいいから地獄に落ちろ人間ども!!!」
もーもー太郎は堰を切ったように次々と村人を殴り殺して行きました。
♬挿入歌♬
あれは誰だ 誰だ 誰だ
あれはカウ カウマン
son of a cow fuckerの名を受けて
むしゃくしゃして戦う男
もーもーアローは超音波
もーもーイヤーは地獄耳
もーもーウィングは無いけれど
もーもービームも出なかった
鬼の力身につけた
正義のヒーロー(?)
カウマン
〜♬
辺りに動くものがいなくなった頃、ある家の中から赤ん坊の泣きき声が多数聞こえてきました。
それすらも駆逐しようと家の中に踏み込むもーもー太郎。
しかしそこで見たものにもーもー太郎は驚愕します。
そこには生まれたばかりのツノを生やした赤ちゃん達が無造作に放り投げられていたのです。
赤ちゃん達は鬼に襲われた婦女達から生まれた半人半鬼でした。
食べ物もろくに与えられず、皆衰弱しきっていました。
もーもー太郎「おじいさんは、僕が牛から生まれた半牛でも、こんなふうに捨てずに育ててくれたんだ・・・!おばあさんだって、発狂してるだけで本当に僕を殺そうとはしなかった・・・!」
もーもー太郎はその中の赤子の一人を抱き抱えると、決意を新たにしました。
もーもー太郎「やはり人間は駆逐すべきだ・・・!!鬼達の楽園を作ろう!モーパラをこの手で取り戻すんだ!!」
そうしてもーもー太郎は半鬼の赤ちゃん達を育てながら、人類滅亡の旅に出るのでした。
おしまい。