雨が降り
息苦しくなって土中のミミズが這い出てくる
いざ雨が止んで戻ろうとすると
しかし既に土は乾き固まり
寝床の扉は閉ざされてしまっている
梅雨明けのホロコースト
死骸がアスファルトの道一面に
その情景にも
暑さにもうんざりしながら
坂道を登る
そんな時あれっとなる
銀のミミズだ!!
沢山の干からびたミミズの中、一匹の銀のミミズが蹲っている!!
・・・なんだ、よく見れば鉄のS字フックだった
きっと目の前の家の洗濯竿から飛んできた
ただの人工物
ーーーいや待てよ。
これはミミズの突然変異とも限らない。
真上から殺しにかかる太陽に抗おうと
身を焼かれながらも
精一杯 精一杯願ったなら
ミミズだって銀になるのかも・・・?
それはすごい
銀のミミズが初めてこの世に生まれた瞬間だ!
そんな事を胸の中でぶつくさ言いながら
ポタポタ汗を垂らしながら
私は過ぎ去った
希望というのはこういうことを言うのかもしれない。